ライオン襲撃は、義手と実写とCGを組み合わせた
『ハプニング』に登場する、ライオンが人を襲う短い映像。実際の撮影では、俳優がライオンへ差し出したのは棒に取り付けた義手でした。CafeFXのVFX監督デヴィッド・エブナーによれば、この場面は同社が本作で担当した中でも、特に難しい仕事だったそうです。[1]
難しさの出発点は安全でした。俳優を複数のライオンと一緒に置くことはできず、動物を刺激するおそれがある血糊の使用も問題になりました。そこで特殊効果と特殊メイクの担当者も交え、どの動きを実際に撮り、どこをCGで補うかを、撮影前に組み立てました。[1]
俳優は片方の腕で棒を操作し、もう片方の腕のように義手を見せています。そのままでは、操作している腕や棒まで映ってしまう。CafeFXは本物の腕と棒を画面から消し、肩や背中も補って、襲われている身体へつなげました。裂ける皮膚や腕の内部、血の噴出なども、後から加えた要素です。[1]
ライオンの数や位置も、撮影した素材をそのまま並べたものではありません。台本では最大6頭が必要だったため、背景に合成する素材を撮影し、あとから配置を調整しています。位置を変える際には輪郭を丁寧に切り抜き、色も合わせ直しました。短い映像の中で、義手を動かす実写、身体の修正、ライオンの合成を重ねているのです。[1]
・脚注
- abcdAnimation World Network「Shyamalan Goes for More Gore in 'The Happening'」。2008年6月13日。CafeFXのデヴィッド・エブナー取材。