🔍 ポップコーン探偵
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スティングの映画トリビア用メインビジュアル 画像は生成イメージです
過去の放送記録
放送日 10月8日(木) 13:00〜

スティング

The Sting / 1973
IMDb ⭐ 8.2放送日 2026/10/8 NHK BS129分Universal Pictures / Zanuck-Brown Company1973年
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探偵アイコン 探偵による映画背景メモ

1971年、プロデューサーのトニー・ビルが新人脚本家デヴィッド・S・ウォードの詐欺師映画の着想をマイケル・フィリップス夫妻に持ち込み、観客にも結末を伏せる構成が企画の売りになった。ウォードは当初監督も想定していたが、ロバート・レッドフォードが複雑な話運びには経験者が必要だとしてジョージ・ロイ・ヒルを求め、ポール・ニューマンが当初は脇役想定だったヘンリー役を希望すると、その人物の比重も広がった。撮影は1973年1月に始まり、シカゴの実景とユニバーサルのバックロットを併用したが、ウォードの回想では最初の一週間を撮り直し、ロバート・ショウも撮影前に負った脚のけがを役の歩き方に取り込んだ。美術監督ヘンリー・バムステッドと撮影監督ロバート・サーティースは茶や臙脂色の画面、1930年代風のアイリスショット(画面を円形に閉じて場面を終える技法)で時代感を組み立て、マーヴィン・ハムリッシュは設定年の1936年には流行の盛りを過ぎていたスコット・ジョプリンのラグタイムを音楽の軸にした。公開後、デヴィッド・マウラーは著書『The Big Con』(1940)を脚本が「相当部分」借用したと申し立て、ユニバーサルは和解金35万ドル(資料によっては30万ドル)を支払ったが、アカデミー作家部門の委員会はウォードの盗作とは認定しなかった。本作は北米初回興行で約6,850万ドルを記録し、1974年の同地域トップとなり、第46回アカデミー賞では10部門候補中7部門を受賞したが、現実の詐欺を描く映画の外でも、和解金と責任の話はすっきり一件落着とはいかなかった。

― ポップコーン探偵
この映画の トリビア!!!
23件
音楽
信頼度

『スティング』は、1936年の物語に1902年の音楽をあえて流した

『スティング』(1973)の冒頭から流れる軽快なピアノ曲は、スコット・ジョプリンの「ジ・エンターテイナー」です。映画の舞台は1936年ですが、曲の出版は34年前の1902年。ラグタイムの流行も、1930年代には最盛期を過ぎていました。[1][2]

・監督の息子と甥が弾いていた曲を、映画へ

ジョージ・ロイ・ヒル監督がジョプリンの曲を選ぶきっかけになったのは、準備中に息子と甥がピアノで弾いていたラグでした。そのユーモアと高揚感が、詐欺師たちの仕掛けを描く映画に合うと考えたのです。ヒルはサウンドトラックのライナーノートでも、厳密な年代より、映画に必要な感覚を重視したという趣旨を説明しています。[1][3]

1902年に出版されたスコット・ジョプリン『ジ・エンターテイナー』の楽譜表紙
1902年版「ジ・エンターテイナー」の楽譜表紙。映画の1936年設定より34年前の出版物であることを視覚的に示すために掲載。Scott Joplin/John Stark & Son、1902年。米国パブリックドメイン。Wikimedia Commonsの資料ページ。

一方、画面には1930年代らしさを細かく取り入れました。冒頭の社章は当時のユニバーサル映画のものを再現し、章の区切りのイラストと文字は『サタデー・イブニング・ポスト』の表紙や挿絵を手本にしています。画面が円形に狭まりながら閉じるアイリス・ショットも、往年の映画を思わせる技法です。[1]

・ハムリッシュの仕事は、ジョプリンの曲の編曲だった

映画音楽を担当したマーヴィン・ハムリッシュは、ジョプリンの曲を選び、演奏し、映画用に編曲しました。画面にも「Piano rags by Scott Joplin」とクレジットされています。使われたのは「ジ・エンターテイナー」だけでなく、「ソラース」「グラジオラス・ラグ」「パイナップル・ラグ」「ラグタイム・ダンス」などでした。[1]

第46回アカデミー賞で評価されたのも、この編曲の仕事です。『スティング』の受賞部門はオリジナル劇映画音楽賞ではなく、歌曲・編曲賞で、公式記録は「Adaptation Score by Marvin Hamlisch」としています。同じ晩、ハムリッシュは『追憶』でもオリジナル劇映画音楽賞と歌曲賞を受け、三つのオスカーを獲得しました。[4]

・映画のヒットが、ラグタイム復興を後押しした

ジョプリンの再評価は、1970年代初頭の録音や舞台上演ですでに始まっていました。そこへ本作のヒットが加わり、米国議会図書館も「ジ・エンターテイナー」がサウンドトラックの中心になったことで、ラグタイムの人気が急上昇したと説明しています。[2]

AFIによると、ハムリッシュ版「The Entertainer」は1974年春に全米チャート3位へ到達しました。ジョシュア・リフキンによるジョプリン作品のアルバムも、同じ時期にチャートへ入っています。[1]

・脚注

  1. abcdeAFI Catalog「The Sting」。本作の舞台時代、1930年代風の社章・章扉・撮影技法、スコット・ジョプリン作品とハムリッシュの編曲、監督の息子が弾いたラグから着想した経緯、公開後のチャートと再評価を確認した。(リンク)
  2. abLibrary of Congress「The Entertainer」および「Scott Joplin, 1868–1917」。楽譜がJohn Starkから1902年に出版されたことと、1973年の『スティング』で同曲がサウンドトラックの中心となり、ラグタイム再評価を広げたことを確認した。(リンク)/(リンク)
  3. Turner Classic Movies「The Big Idea - The Sting」。ヒルのサウンドトラック解説を引き、息子と甥の演奏からジョプリンの音楽へ惹かれたこと、年代の厳密さより映画に必要な感覚を優先したこと、採用曲を確認した。(リンク)
  4. Academy of Motion Picture Arts and Sciences「The 46th Academy Awards | 1974」。『スティング』がマーヴィン・ハムリッシュの編曲スコアで受賞したことを確認した。(リンク)
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企画
信頼度

脚本家デヴィッド・S・ウォードは、別作品のスリを調べているうちに詐欺師の手口を知った。暴力よりも相手の欲を利用する彼らのやり方に興味を持ち、本作の着想につなげた。

企画
信頼度

製作者マイケル・フィリップスによると、ウォードは企画を売り込むとき結末を明かさなかった。聞き手自身も最後に一杯食わされる感覚を、説明の段階から作っていたという。

脚本・監督
信頼度

ヒル監督は撮影前、ウォードと脚本を一頁ずつ読み合わせた。誰がいつ仕掛けを変え、なぜその行動を取るのかを確認してから現場に入ったと、ウォードは振り返る。

監督・配役
信頼度

ウォードが本作で監督デビューする案もあった。だがAFIによれば、複雑な構成の映画を任せるには経験豊かな監督が必要だとレッドフォードが考え、ヒルが監督した。

配役・脚本
信頼度

フッカーは最初、約19歳の青年として書かれていた。レッドフォードが出演することになり年齢を上げたため、ゴンドーフとの関係も当初の父子に近い構想から変わった。

配役
信頼度

ニューマンは脚本を読んでゴンドーフ役を希望した。ただし初期の人物像について、製作者は太った男、脚本家ウォードはリー・ヴァン・クリーフのような硬派な男を想像したと、同じ取材で異なる記憶を語っている。

配役
信頼度

大物ギャングのロネガン役には、当初リチャード・ブーンの出演が報じられた。完成作で演じたのはロバート・ショウで、AFIによれば当時ユニバーサルは交代理由を発表しなかった。

撮影・役作り
信頼度

ショウは撮影直前にラケットボールで脚を傷めていた。ヒルは降板させず、足を引きずる歩き方をロネガンの人物像に取り込ませた。

脚本・配役
信頼度

ウォードが最初に書いたロネガンはポーランド系のギャングだった。ショウが出演すると人物の出自はアイルランド系へ変わったと、ウォードは語っている。

撮影
信頼度

ヒルは撮影最初の一週間分を撮り直した。AFIが伝えるウォードの証言では、監督が仕上がりをもっと良くできると判断したためで、事故や撮影停止が原因とは記されていない。

美術
信頼度

冒頭のユニバーサル社章は、1930年代に同社が使った水晶球風の意匠を再現したものだ。物語が始まる前から、観客を映画の舞台年代へ誘っている。

デザイン
信頼度

章が変わるたびに出る挿絵と文字は、ジャロスラフ・ゲブラーの仕事だ。1930年代に人気だった『サタデー・イブニング・ポスト』の表紙や挿絵を手本にした。

ロケ・美術
信頼度

シカゴではユニオン駅やラサール街駅などで撮影し、ロサンゼルス周辺のホテルや建物も1930年代の街に見立てた。全編をシカゴで撮ったわけではない。

セット
信頼度

高架鉄道の場面の一部は、シカゴ現地ではなくユニバーサル撮影所のセットで撮られた。当時の宣伝資料によれば、高さ約6.1メートル、長さ約76メートルの鉄骨構造物が背景に組まれた。

演出
信頼度

ヒルは1930年代のギャング映画を調べ、人通りの少ない通りが多いと気づいた。本作でも通行人役を意図的に控え、昔の映画の画面づくりへ近づけたと語っている。

撮影技法
信頼度

画面が丸く狭まって消える「アイリス」は、昔の映画を思わせるための仕掛けだ。撮影監督ロバート・サーティースは、この技法を1930年代風の画面づくりに取り入れた。

衣装
信頼度

衣装担当イーディス・ヘッドは、本作の衣装を約60着、ヒルと約六週間で設計したと語る。時代考証を守りつつ、主演二人が街の普通の男性に見えない個性も加えた。

音楽
信頼度

ジョプリンの音楽を使う発想は、ヒルの息子がそのラグを弾いたことから始まった。ヒル自身がサウンドトラックの解説でそう振り返り、旧知のハムリッシュに編曲を頼んだという。

製作・映画賞
信頼度

本作の作品賞はトニー・ビル、マイケル・フィリップス、ジュリア・フィリップスに贈られた。AFIはジュリアを、製作者として作品賞を受けた最初の女性と記録している。

版・資料
信頼度

当時の宣伝資料や批評は上映時間を127分または129分と記した。著作権記録には103分とあるが、AFIは誤記と判断しており、別の103分版の存在を示すものではない。

公開・放送
信頼度

本作は1978年11月5日に初めてテレビ放送された。AFIが引用する同時代の報道によれば、ニューヨークとロサンゼルスでは視聴占有率が最大61%に達した。

情報不足・要確認
信頼度

『The Big Con』が正式な原作?。著者から盗用の訴えが起き、ユニバーサルは和解した。一方、アカデミー側は盗用と判断せず、本作をウォードのオリジナル脚本として表彰した。同書が調査資料の一つだったことと、正式な原作であることは別だ。

裏取り強め
有力ソースあり
未確認・噂寄り
情報不足・要確認

主な参考資料

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