ワープコアは、本物の核融合研究施設だった
『スター・トレック イントゥ・ダークネス』で、エンタープライズのワープコアに見える巨大な設備。あれは映画のために作った機械ではなく、本物の核融合研究施設です。撮影に使われたのは、米カリフォルニア州のローレンス・リバモア国立研究所にある国立点火施設、NIFでした。[1]
施設の中心にあるターゲット・チェンバーがワープコアに、周囲のターゲット・ベイが機関室に見立てられています。研究所の公式ページに掲載された本作の写真を見ると、カークとスコッティの背後には、球状の装置とそこへ集まる設備が見えます。宇宙船の内部と思って見ていた場所に、現実の研究設備が使われていたのです。[1]
J・J・エイブラムス監督は、こうした実在の場所には、セットを一から建てる場合には得られないカメラ位置や光の変化がある、と説明しています。予想しきれない光まで撮影の手がかりになる。研究所の内部を使うことで、映画に現実の手触りを加えたかったのだそうです。[2]
ただし、映画の都合だけで照明を増やすわけにはいきません。撮影監督ダン・ミンデルによれば、施設内の空気の温度を変えてはいけないという制約がありました。準備段階で照明スタッフを現地へ送り、使う予定の照明機器を研究所側に一つずつ試してもらっています。最終的に持ち込めたのは、蛍光灯式の映画照明、LED、小型のHMI照明(放電灯式の照明)など、比較的小さく熱の少ないものが中心でした。通常の研究業務を妨げずに、それだけの空間を照らす必要もあったのです。[2]
・脚注
- abローレンス・リバモア国立研究所「NIF Captures the Popular Imagination」。ターゲット・チェンバー/ターゲット・ベイの使用と本作の掲載写真。
- abAmerican Cinematographer「Boldly Captured: Star Trek Into Darkness」。エイブラムス、ダン・ミンデル、照明主任クリス・プランピンの説明。